「農業はサービス業」という概念はマーシャルが言った言葉です。
ある本に書かれていた言葉です。
マーシャルはイギリスの経済学者でケインズやサミュエルソンの先生でもありました。
「農業はサービス業」が意味するものは、モノを見る時、一つの見方だけでなく、色々な視点で見ることが出来、それが重要である。ということが再認識させられました。
マーシャルはこう言いました。
「農業をする人は、われわれは小麦を作って人々にパンを与えていると言うが、小麦の実を作っているのは小麦自身である。農民がしていることは肥料をやったり、草を取ったりだから、農業は小麦の親に対するサービス業である」と言う意味です。
また漁師に対しても「漁業をする人は魚をとってきて台所を豊かにしていると言うが、魚は元々海中にいるから、水産業者は魚を海中から海上に引き上げ、さらに都市まで持ってくる垂直と水平の輸送業者である。」と言います。
マーシャルが言っていることは極論に近いですが、当たっています。
経営者として、自らの事業内容認識を問うてみると、固定的にとらえていることに気付かされます。
それでは、世の中の流れに置いていかれる可能性があります。
例えば、下駄屋さんは昔よくありました。着物が主流の時は街には必ず一つはありました。
それが着物がすたれ、洋服を着る人が多くなってくると、下駄屋さんは商売がうまくいきません。
でも自社を「下駄屋」から「履物屋」ととらえてみると、靴も売れるし、サンダルも売れます。
自分の仕事範囲をがんじがらめに縛りつけていることが良く見受けられます。
家具のニトリは最初は私が住んでいる札幌の手稲区にあった小さな家具店でした。
それが家具店からインテリアショップに変わり、海外で生産する製造業になり、製品を国内に持ってくる輸入業者になりながら、どんどん変化し続けています。
ニトリは今自社を家具店とはとらえていないはずです。
経営者はなるべく固定観念にとらわれない為にも、多くの人の話や情報を集め、声を聞く行動こそが重要な仕事です。
特に起業したばかりの人は、独りよがりに陥りやすいですので、多くのネットワークを持ち、アドバイスを受ける心の余裕はとても必要なことです。