利益率の話です。
稲盛和夫さんは経常利益率10%は確保しなさいと言います。
しかし、それに伴って粗利益率を◯◯にしなさいとは言っていません。
概して経営者は全ての利益率が高い方がいいと思いがちです。
もちろんいいに越したことはありません。
しかし粗利益率が高いということは、売上高の増減に大きく影響を受けます。
一例です。
売上高100万円で10%の粗利益率だと粗利益は10万円です。
50%と高い粗利益率だと50万円です。
ところが売上が10%下がり、90万円になったらどうなるでしょう。
10%の粗利益率の場合は1万円の粗利益減です。
一方、50%の粗利益率の場合は5万円の粗利益減です。
売上が10%減しただけで5万円の粗利益減少です。
また50%の粗利益を出す会社は概して人件費などの固定費も高く設定されています。
そのため損益分岐点が高くなっています。
下手をすれば、これはすぐに経常利益に影響して赤字に転落ということもあります。
粗利益率ばかりに目が行ってしますと、経営を危うくする。
そんなこともあります。