不便さは人を優しくするかもしれません。
雪国では雪が降った時、歩道は畦道状態になります。
人1人通るがやっとという狭さです。
先日も狭い雪道を歩いていると、急に前がつかえていました。
先頭には足の悪そうな杖をついた高齢の女性がいました。
雪道が滑るので、より慎重に歩きます。
そのためほとんど前に進みません。
その後ろの人達は黙ってその歩く速度に合わせていました。
文句も言いません。
でもその足の悪い女性は自分の後ろに人がいるのに気付いて、「アッごめんなさい。どうぞ」道を譲ってくれました。
後ろの人達に向かって「ごめんなさい」と言い、後ろの人は「ありがとうございます」と言って横を歩いて行きます。
見知らぬ同士が街中で声を掛け合います。
ある時はその狭い雪道で、子供を乗せたソリを引くお母さんい行き違いました。
私は傍に寄って通るのを待っていると、お母さんは「ありがとうございます」と言います。
ソリに乗っている子供も「ありがとう」と言って行きました。
不便な時はお互い様。
少しの心の余裕が優しい気持ちにさせてくれます。
「どうぞ」「ありがとうございます」
そんな当たり前の言葉が自然に出て来る。
不便な雪国の暮らしですが温かい気持ちになります。