今朝の日経新聞の一面に「国民皆保険による医療」と題された記事が載っていました。
日経が実施したアンケートによると、医師の半数が国民皆保険は今後維持不能と考えているようです。
医療費が高度化して薬剤などが高額になっていることと、急激な高齢者の増加にその要因があります。
国民医療費は2015年度で概算41.5兆円、2025年度には54兆円になる見込みです。
54兆円とは日本の歳入とほぼ同じです。
このままでは8年後、日本の歳入のほぼ全てが国民医療費に消えてしまうのです。
と言うことは、確実に2025年より前に国家の財政破綻に陥ることが予想されます。
今こそ国民と政治家の大きな「決断」が必要となってきます。
「決断」とは将来、そして全体を見て、たとえ犠牲が伴っても最適と考えることを実行することです。
その時は必ず反対やそれによって救われない人が出てきます。
それでも実行しなければならない。
それが「決断」です。
昔、農業が主要産業だった頃、治水事業がその土地の領主の大きな仕事でした。
当時の治水工事には限界がありました。
たとえ洪水の対策をしていても、ひとたび大雨が降れば洪水は起きます。
大雨が降り、洪水の恐れが起きた時、領主は重大な「決断」が求められます。
いかに洪水の被害を最小にするか。
その方法として、川の堤をあえて破るのです。
一番被害の少ないだろうと思われる堤を破り、洪水を起こさせます。
その地域の農民にとっては大きな打撃です。
しかし、国全体をを見れば最適な方法となります。
そこから生まれたのが「決断という言葉です。
「決断」という言葉を、私なりに分解してみました。
分解するとその意味が分かります。
「決」という字は、川の水の意味を持つ「さんずい」、その横に真ん中の意味を持つ「央」があります。
その「央」の左の棒を取った字にさんずいを着ければ「決」になります。
そして「断」という字は堤を切ると断ずることです。
すなわち、「決断」とは川の堤をあえて切って、洪水を起こさせるところから来ていると思います。
文字通り、多少の犠牲を覚悟の上で決めることを「決断」と言います。
反対がない時に決めることは「決断」とは言いません
全ての人の都合がいいようにすることは大事です。
しかし変革する時はそれが出来ません。
決断は批判に負けない強い信念がなければ出来ません。
先程の医療費についても、今まで何度も問題視されてきましたが、解決の先送りでどの政治家も根本的解決の「決断」をしてきませんでした。
今こそ、日本の将来を背負い、つらい「決断」を下す覚悟のある政治家が求められていると思います。