これは渋沢栄一の子孫の渋澤健氏が書いた本です。
なぜこの本を買おうかと思ったのは、これから富を築こうと思ったわけではなく、この本は渋沢栄一が書いた「論語と算盤」の言葉の説明だったからです。
この「論語と算盤」は私が35歳頃に買って読んだ本で、今本棚から出してみると、少しカビ生えています。
この本は私に会社の経営とは素晴らしい仕事であるということを教えれくれた本です。
私は小学校・中学校と学校教育の中で、働くことは尊いけれど、お金を稼いだり、儲けようとする行為は悪いことと教えられました。
金持ちは、何かズルイことをしてお金を稼いだからそうなったと思っていました。
学生時代は反体制の運動も少ししました。
そのような人間も社会人になり、仕事をしていく時、お金を稼ぐことは大変な事。ズルイことをしてそう簡単に稼げるものでないと分かってきました。
そんな時にこの本に書かれていた、道徳に基づいた経済活動があるとことに気付かされました。
そこに書かれていた一文です。
「道徳上の書物と商才とは何の関係が無いようであるけれども、その商才というものも、もともと道徳をもって根底としたものであって、道徳と離れた不道徳、詐瞞、浮華、軽佻の商才は、いわゆる小才子小利口であって、決して真の商才ではない。故に商才は道徳と離れるべからざるものとすれば、道徳の書たる論語によって養えるわけである」
今、私は稲盛和夫さんから「経営の教え」を勉強していますが、最初に「経営の根幹にある正しい考え方」を教えてくれたのはこの「論語と算盤」でした。
改めて読みたいと思っています。
参考
渋沢栄一は1840年、今の埼玉県で生まれ、27歳の時、幕臣として遺欧使節の一員として先進諸国の近代的産業や経済制度を見聞してきました。
後に第一国立銀行、王子製紙、日本郵船等の会社を興した明治大正時代の財界人