今回もまたその内容を紹介していきます。
今日ご紹介するのは「純粋な心で人生を歩む」についてです。
この項目で稲盛さんは次のように書いています。
「古代インドのサンスクリット語で『偉大な人物の行動の成功は、その行動の手段によるよりも、その人の心の純粋さによる』と言うある聖人の言葉が残されています。
純粋な心とは言い換えれば、物ごとを行う時の動機が純粋であり、私心がないということと同じです。
またそれは、人間として何が正しいのかということとも共通しています。
純粋な心を身につけることによって、私達は間違いのない人生を歩んで行くことが出来ます。
純粋で私心のない心、すなわち人間として高い見識や見解を判断基準として物事を決め、人生を歩めば、その人の人生に大きな潤いと素晴らしい結果をもたらすのです。」
続けて稲盛さんはこれを経営に当てはめて書いています。
「持っている技術、あるいは経営手法、経営計画、そのような物が優れているから成功するのではなく、経営者の心の純粋さが成功をもたらすことになります。」
この心の純粋さが大切だという考えは前に紹介しました「動機善なりや、私心なかりしか」ということにもつながっています。
この項目で二宮尊徳の生き方を紹介しています。
ご存じのように二宮尊徳は鍬1丁、鋤1丁で貧しい農村を豊かな農村に変えてゆきました。
彼は人を評価するのに、その人の動機が善であるかどうかを判断基準にしたと、内村鑑三が書いた「代表的日本人』に書かれています。
時として人は「純粋な心」と言うと、「そんなきれいごとを言ったって」と思う人がいます。
勿論、人は利己の塊です。
でも、だからこそ、それを押さえる為の努力をし、心を磨くのです。
「純粋な心」や「動機善なりや」という思いを追求していくからこそ、1段1段と心がステージアップしてゆくのではないでしょうか。