また、起業して初めてのお客様は覚えていますか?
ある本の中であるフリーライターのことが書かれていました。
彼は毎月4~6本の連続原稿を抱えて大変忙しいそうです。
その内のA社の1本だけは安価であるにもかかわらず、どんなに忙しい時でも、最優先で取り組むようにしているそうです。
その理由が述べられていました。
「独立した時、丸1年間仕事がなく満足な生活が出来ませんでした。
そんな時、信用も実績もまるでない私に定期の仕事をくれたのがそのA社でした。
A社からの仕事がなかったら今の自分はなかった。それを思うと恩を仇で返すような事だけはしたくはありません。
たとえ安価であっても、誠心誠意仕事をやらせていただこうと思っています。」
この心構えは素晴らしいですね。
この話を聞いて感心しても、実際に自分達はどうでしょうか?
「初心忘れるべからず」
良く言われる言葉ですが、なかなか実行できないものです。
苦労した時に助けていただいた人や会社に対して、今でも感謝の念を持ってその仕事を続けているでしょうか。
これは起業して成功する人と失敗する人の分岐点でもあります。
多くの支援者・応援者を作る人。
その場限りの応対で、振り向けば支援・応援してくれる人が誰もいない人。
お客様を大切にし信頼という財産を築きあげる人
その時の損得で生きる人
自ずと成功者と失敗者は分かります。
私の場合は新入社員で銀行に入り、営業で最初に定期預金をいただいた方の事はすっかり忘れています。
若い頃の私は、全く成っていませんでした。
やっと20年前くらいからは、最初のお客様のことは良く覚えています。
今はその方との仕事のつながりは特にはありませんが、それでも少しその人に関係するような事があれば、お願いしたり、お客様を紹介したりします。
些細なことですが、それが自分なりの筋の通し方だと思っています。