日は少し皆さんに賛同いただけそうも無いお話を書きます。
昨日ある会合がありその時、原発問題が話題になりました。
原発廃棄し、自然エネルギーに転換していかなければという話が出ました。
今原発に対して大変敏感になり、世論は原発廃棄の方向に向かっています。
私は孫が3人います。
子供や孫のことを考えると、安心と安全を確保してやらなければなりません。
今回の原発事故で被害がこれ以上広がらないよう願っています。
と同時に孫たちが成長した時、日本がどうなっているかを心配します。
安心と安全と一緒に話すことが多いですが、安心と安全は違うものです。
国として安全を追求すれば際限なく追求出来ます。
それと共にコストがかかります。
コストがかかればその負担を強いられて、豊かで安心な生活が出来なくなります。
時として安心と安全は反比例の状態になることもあります。
原発問題を考える時、私もその危険性は十分認識しています。
その原発を今廃棄した場合、それに変わるモノとしては、火力発電になるでしょう。
太陽光・風力・水力といってもすぐには原発に変わることは出来ません。
火力発電に頼るとなると大量の石油や天然ガスを輸入しなければなりません。
読売新聞に載っていた中部電力の試算では、原発を火力発電に変えると1日当たり2~3億円の負担増になるとのことです。
それは年間で700億以上の石油や液化天然ガスを輸入しなければなりません。
それが全国の電力会社で起これば何千億円の輸入増になります。
法政大学小峰教授によると、「日本の貿易収支は30年以上黒字でしたが、震災後の4、5月は赤字になりました。
ただし所得収支は依然として大幅な黒字でしたので、経常収支としては黒字でした。
しかしその黒字幅は2月は約1兆3千億円から5月には4千億円まで減少しました。
今後原発の代替のために石油や天然ガスの輸入が増えると、それが経常収支の赤字を促進する可能性があります。」
経常収支が赤字になるということは日本全体が資金不足になり、一層の国債発行に結び付いてゆくことになります。
貿易で成り立っている日本の経常収支が赤字に転向するということは、日本経済の衰退になります。
会社倒産し、失業者が増え、生活は厳しいものになります。
それは安全を手に入れましたが、安心な生活を失ったことになります。
今、一度冷静になって原発問題を考える必要があると思います。
数年前秋葉原通り魔事件がありました。
あの時マスコミが取り上げ、問題になったのは「タガ―ナイフ」でした。
マスコミの論調で、その「タガ―ナイフ」があの事件を起こしたような風潮になったことを覚えています。
実際はナイフが悪かったのではなく、それを使った男が悪いのです。
その男の背景に問題があったのです。
原発も危険なものです。
ナイフと危険の度合いが違うと叱られるかもしれませんが、問題が発生すると人はどうしても「モノ」に目が行きがちです。
本質は別にあります。
今日は否定されることを覚悟して、もっと冷静にも一度原発問題を考えてみたいと思い、あえて書きました。