新聞やテレビで新藤監督が亡くなられたという報道がなされています。
この監督の映画はほとんど見たことがありません。
小さい頃「原爆の子」と「第五福竜丸」という映画を見たきりです。
その印象は暗く、強烈でした。
子供にとって原爆の恐さと共に、拒否反応が生まれたのでしょう。
その監督が100歳近くまで映画を撮る度に、そのエネルギーには驚かされました。
その監督の言葉があります。
「老人の武器は挫折です。
年をとると、若さがどんどん削り取られるが、その末に残るものがある。
挫折を乗り越えるため試行錯誤を重ねてきた心の転機です。
これこそ、老いたるものの力であり、これで若い人に対抗できる」
このように言い切れる自信は、その挫折から生まれたものなのでしょう。
一般の人も、歳をとるということは、いろいろな挫折を味わうということです。
それが肥やしにしてきたか、ただ避けてきたか。
それによって結果が違ってきます。
人はつい困難なことを避け、傷付かず、挫折を味わない安易な道を選ぼうとしがちです。
しかし何もしなければ何も生まれません。
そしてそれは不満な結果しか生みません。
若い頃に多くの挫折を経験すれば、それは必ず自分の糧になり成長の力です。
沢山恋をし、沢山失恋し、何かに挑戦して失敗を繰り返す。
若い内はいくら失敗してもまた取り戻すことが出来ます。
新藤監督ほどではありませんが、ある程度歳をとって来るとそれが良くわかります。