高校、大学生の就職状況も深刻です。
2009年11月の日本の失業率(季節調整値)は5.2%になっています。
国は失業対策のため職業訓練に力を入れています。
失業手当はどんどん増え、生活保護世帯も増加しています。
働く場所が無いというのが大きな問題です。
今、大切なのは働き先の確保です。
失業手当を支給し、職業訓練をし、就職斡旋をしても、働く会社が不景気のため倒産してどんどん減っています。
重要なのは働く先の「創造」です。
それは起業・創業を志す人達の増加を促すことです。
起業・創業する人達は、自分の夢を持ち、それを達成するために、あえてリスクを負いながら挑戦する人達です。
「誰かが何かをしてくれるの待つ人達」ではないのです。
民主党が掲げたマニフェストの中に「100万社起業を目指す」と書かれています。
ご存じでしょうか?
項目36に書かれている「中小企業憲章の制定など、中小企業を総合的に支援する。」の「具体策」の最後に
「中小企業の技術開発を促進する制度の導入など総合的な創業支援策を講じることによって、『100万社起業』を目指す。」と書かれています。
従来の「起業支援」は「制度融資」「補助金」「起業相談」がほとんどです。
でも、本当にそれで「起業支援」でしょうか?
お金を出せば済むものではありません。
また、起業相談を受ける担当者の中には、優れた指導をする人もいるかもしれませんが、起業経験も会社経営経験も無い人が大部分だと思います。
そして、その起業相談も「起業するまで」というのがほとんどです。
起業は誰でも出来ます。
見栄えのいい事業計画書を作り、お金を借りて、会社設立すればすぐ出来ます。
でも大切なのは、起業した会社が倒産しないで、順調に業績を伸ばすことです。
本当の「起業支援」とは、起業したばかりの経営者に対して、日々起こる問題に対してフォローする仕組みです。
普通、公的機関の「起業支援」は起業するまでです。
起業したばかりの会社に対しての支援は特になく、商工会議所などに設けられた「経営相談」というものも、「困ったら来なさい」というものです。
起業したばかりの会社に対する対応は、従来からある企業と同じような対応です。
でも、生まれたばかりのヒヨッコ会社と百戦錬磨の会社とは全てに違います。
「銀行にお金を借りに行くことは初めて」
「集金に行って小切手をもらい、領収書を切ることも初めて」
一般の会社では当り前のことが起業したばかりの人には大変です。
そしてもっと重要なのは経営者としての考え方です。
「約束を守る」「素直」「すぐ行動する」「物おじしない」等、いまさら人に聞けないことでも大切のことがあります。
それを教え、フォローしてくれる人が必要です。
「起業支援」として、市などの公的機関にお願いしたいことは、すでに起業し成功している経営者達を組織し、マンツーマン的に起業家を育てる仕組みです。
例えば、起業してから1年間の期間、成功経営者に依頼し、起業家に対して、アドバイスをし、相談を受けてもらいます。
アドバイスするその経営者には、交通費程度の費用支払いは必要ですが、ほとんどはボランティアになります。
第一線を引いた経営者の中には社会貢献をしたいと思っている人たちがいます。
その人たちの成功体験、失敗体験こそが起業したばかりの経営者にとって、知識、知恵になっていきます。
現在経営に携わっている方々も、時間を見出しながら、周りにいる起業家に対して応援、支援をお願いいしたいと思います。
経営者にとって起業家たちと接点を持つことは、新しいネットワークを持つ機会となります。
「起業支援」はコミュニケーションこそが大切です。