今日は「地域戦略」について書きます。
どこで店を開くは大変重要です。
その選定として、「狙う客層を決めて、それに即した場所を選定する」と「場所を決めてからそれに合った客層を決める」方法があります。
本来は前者がベターです。
多くの場合テナントとして入ります。
その時、「賃貸料」と「場所」の兼ね合いで出店場所決定がなされると思います。
そうすると、先ほどの「場所を決めてからそれに合った客層を決める」ことになるのです。
その客層へどう売るかの「客層戦略」については昨日書きました。
今日は出店する場所をどう選ぶべきかの1つのポイントを書きたいと思います。
ただし、ここでは「料理やコックが腕に自信があり、辺鄙なところでもお客様を呼べるという」話は別です。
一般的には場所と賃料を見比べて決めます。
しかしその営業結果は賃料通りの結果しか出てきません。
それを良く理解しておくべきです。
賃料は固定費です。
高い賃料だと損益分岐点が高くなります。
賃料は収入の10%以内に収まるのが理想です。
ですから賃料は安いに越したことはないのです。
もう1つ別の見方をします。
坪当たり賃料4万円と2万円の場所があったとします。
札幌では札幌駅直結している札幌ステラプレイスに入っているお店が4万円だと聞いています。
同じ札幌駅周辺の別のビルが2万円だとします。
予算から考えれば、同じ札幌駅周辺なので2万円という選択が多いと思います。
でも客数はその場所の賃料に比例します。
4万円の店をA店、2万円の店をB店とします。
A店もB店も設備・内装の投資は同じ作りと仮定。
客数は賃料に比例するとして単純計算すると、A店はB店の倍の来客があることになります。
その結果売上は倍になります。
賃料が高い分、売上も高くなります。
ここでもう1つ見るべき数字があります。
それは人件費です。
パートを使っても人件費は固定費に近い経費です。
A店もB店も人数は同じだとします。
B店は暇な時間があり、従業員は手持無沙汰です。
A店は休む暇なく働きます。
そうすると1人当たりの労働生産性が全く違ってきます。
また、A店もB店も作りが同じなので、光熱水道費も若干しか違いません。
B店は客寄せのために常に広告宣伝しなければなりません。
A店は常にお客が来てくれるので広告費はほとんどかかりません。
A店はB店と比べて、賃料以外のコストはほとんど変わらず、それでいて生産性・経営効率は高いのです。
結果、賃料が高いA店の方が高い利益を得ることになります。
ただ、この理屈は分かっていてもなかなか4万円の賃料を払う決断がつかないものです。
その決断をすぐつけることが出来るのは東京で5万6万の賃料などを経験している業者です。
「札幌ステラプレイス」の場所の賃料を「安い」と判断出来る業者です。
その為いい場所で、賃料が高いところには東京の店が多いのです。
この理屈が分かっているからです。
成功経験がない地元の業者はそこで負けてしまいます。
このように考えると、「何を売るか」「誰に売るか」そしてそれに見合う価格帯が明確である経営なら、高賃料の場所は高い売上が保証されていると見ることが出来ます。
やはり昔から言われているように「1に場所、2に場所。3・4が無くても5に場所」になってしまいます。