核心は何かを求めたり、肝心なことをするために、余計なことを省きます。
より効率を求めてゆく過程で行われています。
組織をピラミッド式からフラットにしてトップと現場の距離を短くする。
内に抱えていた部門を切り離してアウトソーシングにしする。
工場の生産性を上げる為、機械化を高め人手を省いたり、人が歩く歩数を少なくする工夫をします。
そこには求める数字化した成果目標がなければなりません。
それにより、より生産性、経営効率を高めてゆきます。
一方、シンプルにする、省く、という行為を間違えて使っている人がいます。
「面倒だから省く」が始まりです。
「面倒なことはやめて簡単にしようよ」という言葉で、大切なこと、肝心なことを避ける経営者が言います。
「シンプルにする」「余計なことを省く」という行為と似ているように見えますが、真逆です。
楽をしようと思って行う行為は単なる怠惰です。
そのような経営者の会社は衰退の方向に向かって行きます。
もう1つ省くというと、日本の風習・慣わしがシンプル化しています。
結婚式を挙げる人が減ってきたり、挙げても仲人を立てる人はほとんどいません。
葬儀も以前と違って家族葬が増えています。
生活の行事もそうです。
季節の行事は変わってきました。
正月はしますが、おせち料理は作らず、買ってきます。
お餅もそうです。
ひな祭りや端午の節句、お彼岸やお盆、月見。
そこには日本の文化があるのですが、多くが省かれてきています。
日本人でありながら、日本の文化を知らない人が多くなっています。
どんどんその傾向にが強くなり、知らない人ばかりにありそう。
いつしか、餅つきや月見などは文化財的行事というようになってしまうのでしょうか。
私の手元に「すまいの歳時記」という講談社が出版した本があります。
昭和60年に発行され250ページもあります。
日本の伝承行事が詳しく写真付きで書かれています。
改めて知る日本の文化が描かれています。
それでいて読むと懐かしい気持ちになります。
毎年12月28日には親戚大勢で行われた餅つき。
お彼岸に母が作ってくれた牡丹餅、おはぎ。
9月の月見には兄とススキを取りに行き、母が作ってくれた団子をお供えしました。
懐かしく思い出します。