仕事をしていると常に判断が求められます。
前に進むか、止まるか、後ろに下がるか、右に行くか、左に行くか。
仕事ばかりでなく、生活をする上でも判断は求められます。
買うのか、買わないのか。
その判断によって結果が大きく違ってくると思うと決断出来なくなります。
情報を得ようと本を読んだり、ネットで人の意見を調べてみることもあります。
でも最終的には自分で判断し、その結果に対しては自分で責任を負わなければなりません。
この「結果に対して責任を負わなければならない」のを回避して逃げている人がいます。
以前にも書いたかもしれませんが、私は若い頃銀行員でした。
銀行には膨大な量の「規定集」があり、銀行の仕事の判断基準が全て書かれています。
その規定通りに判断すれば、自分の考えと関係なく仕事を進めることが出来ます。
そして規定通り仕事をしていれば、誰からも文句は言われません。
しかし恐いのはこの自分の判断を持たないで規定に従って仕事が出来ることに慣れてしまうことです。
その恐わさを実感したのは、32歳頃銀行を辞めて父の会社に入った時です。
中小企業の会社には規定などありません。
全て自分の経験で得た情報、知識、知恵を使って判断しなければなりません。
自分で判断する能力を失っていた私にとっていつも戸惑いばかりでした。
最初はいちいち他の人の判断を求めなければ仕事が出来ません。
他力依存になっていました。
60歳を過ぎた今頃になって、やっとそれなりの判断基準を持てるようになりました。
判断基準を持てるようになった大きな要因は、どのような結果に対しても責任を持つことが出来ると実感出来たからでしょうか。
今、戸惑いながらも仕事が出来ていること。
自分に対して少し自信が持てました。