先日あるお母さんが子育てのお話しをしていました。
お話しの大筋は、「正しいこと、悪いことをしっかり教えて来た」とのことです。
子供の内から、正しいこと悪いことを教えるのはとても大事です。
人としての基本になるところです。
ただ、それと同時にお話しを聞いていると少し不安になるところもありました。
世の中では正しいこと悪いこと以外にも選択肢があるのです。
「善悪で判断できないこともある」ということを教えなければ、子供が社会に出た時、苦労しそうな気がしました。
私もそうですが、人は概して物事の判断に「白黒」をつけたがる傾向があります。
極端に分かれます。
でも、世の中は白黒以外のグレーの部分が多く、そのところの判断が出来なくて困ることがあります。
例えば人間的にぐ優れて、仕事もしっかりしている人が、間違えて事故を起こしてしまうと、今までの評価が手のひらを返したように変わってしまいます。
その人を不適格者としか見なくなります。
確かに間違いは犯したけれど、止む得ない事情があっても善悪でしか見ないのです。
会社のトップに立つ時、このグレー部分の判断が的確に出来るようにならないと、従業員も成長しないし、会社も大きくなりません。
清濁併せ呑む、度量の広い人はこのグレー部分の許容範囲の広い人のことです。
子供には、善悪の判断基準をしっかり教えることと同時に、世の中にはそれ以外のグレー部分が多いということも合わせて教えていかなければならないでしょう。