銀座の「和光」が10月から土・日曜日も通常営業することが決まったそうです。
「和光」をご存じの方も多いと思いいますが、セイコーHDの子会社で高級ブティックを扱っている老舗です。銀座言えば必ず出てくる建物が「和光」の本館です。
大晦日で年が変わる時、テレビで良く紹介される時計台のあるビルです。(写真)
今までの「和光」は平日に訪れる富裕層の主婦や固定客で成り立っている店でした。
土・日曜に営業すると店内が混雑し古くからの顧客が離れる懸念があったのです。
「和光」の方針は「店内で顧客にゆったりした時間を過ごしてもらうこと」でした。
土・日曜日営業で新たな顧客を開拓するより従来の顧客の深耕が重要なのです。
この店は今までの豊かだった日本を代表する象徴的な店です。
顧客は富裕層です。それもスパーリッチです。
一般庶民は顧客として見てきませんでした。
その「和光」が土・日曜日営業をするということは、従来の富裕層だけを相手のやり方では成り立たなくなったことを意味するのでしょう。
それはある意味、日本の富裕層の購買力が落ちてきたことを意味しているのかもしれません。
チョット古いですが2001年11月22日の日経流通新聞の記事の内容を紹介します。
「和光」ではブランドを守るため値下げは一切しないそうです。
商品の6割は自社ブランドで、1品当たりの在庫を少なくし、売れ残りがないようにしています。
「売れなかった分は歯を食いしばって社員が買う」と当時の社長は言っていました。
今もそうなのか分かりませんが、ブランドを守るためとはいえ、社員は大変です。
今回の話は、日本を代表する大都会東京、その中もブランド力の高い銀座の高級店でも、その店のプライドを脱ぎ捨てなければ生き残っていけない時代なのだと、改めて考えさせられる出来事に思われます。