日本の言葉について。
昔からの言葉で「女房と畳は新しい方がいい」とか「糠味噌女房」というのがあります。
どちらも「使い古した女房」として悪く比喩した言葉と私は理解してきました。
ところがある本を読むと「そうでない」と説明されています。
「女房と畳は新しい方がいい」は「亭主と畳は新しい方がいい」と言い換えてもいいのです。
畳は藁で出来た畳床と、その上にイグサで作られた畳表で出来ています。
畳替えをするというのは、畳床は変えず、畳表を裏返しにしたりして新しくします。
好きで一緒になった夫婦も、毎日の生活の中で男は生活に疲れ、女は恋に倦んでくる。
古い畳を表替えした畳がいいように、男も女も新鮮でいなければならないという意味のことわざなのです。
また「糠味噌女房」もそうです。
毎日ごちそうばかり食べていると飽きてきます。
やはり美味いお茶漬けが欲しくなります。
美味い茶漬けには美味い新香、香の物が必要です。
毎日糠味噌をかき混ぜながら美味しい新香を作る事の出来る女房。
人生の旨味が出て来た偉い女房、賢い女房を「糠味噌女房」と言うのだそうです。
このように説明していましたが、よく考えてみたら「女房と畳は新しい方がいい」とか「糠味噌女房」という言葉は
今ではほとんど使われていませんね。
折角に日本のいい言葉。
残したいものです。