「現場力」
日本の強みだった「現場力」が最近が弱まっていると、今朝のNHK「ビジネス展望」で話されていました。
「現場力」については以前にも書きました。
職人、技術者と言われる人達が減ってきています。
従来、現場で高い技術力を持って働いてきたのは、多くは団塊の世代を中心とした人達でした。
今、その人達が定年などで現場から離れていっています。
彼らの中には中学卒業で地方から集団就職として上京してきた人達も多かったです。
若い内から現場で鍛えられた彼らは高い技術を身に付けたにも関わらず、賃金は安い状態でした。
その背景には学歴主義があります。
どんなに高い技術があっても、中卒の彼らの給料は学卒よりはるかに低く抑えられてきました。
そのような給与体系が今まで続いています。
彼らが定年などで現場から居なくなった今、「現場力」が大事と言い出し、「肉体労働者」と言ってきた人に対して「技術者」とか「職人」と言っても若い人は集まりません。
技術相応の給料体系、そして現場で働く人達に対する世間的評価の見直し。
これこそが今の日本に必要な事ではないでしょうか。
また、現場の人間が少なくなったと言って、外国から賃金の安い労働者を入れようとする考えは、従来の「肉体労働者は安く使え」の発想と同じです。
現場で働く人達の給料が高くなって、結果的に生産物や建物代金が高くなっても、それを受け入れる経済の仕組みを再構築する。
大げさかもしれませんが、新しい世界が生まれるかもしれません。