「武士の娘」という本をご存知でしょうか。
昨日この本を読み終えました。
この本は明治の時に杉本鉞子(えつこ)という女性が英語で書き、アメリカで出版されました。
出版されるとアメリカ人に感銘を与えたと言われています。
アメリカの有名な詩人ホイットマンにも賞賛されました。
ヘミングウェイの「日はまた昇る」という本にも伍したと言われています。
その本はベストセラーとなり、イギリスやフランス等7か国でも出版されました。
日本人が英語で書いた本といえば、内村鑑三が書いた「代表的日本人」や、新渡戸稲造の「武士道」が有名です。
「武士の娘」は大正時代に日本でも翻訳され出版されましたが、今の日本ではあまり知られていませんでした。
あの司馬遼太郎でさえ「峠」という本の取材中にこの本を知り、その内容に感動したと言われています。
私はたまたま本屋で、同じ題名で、この本の内容を解説している、内田義雄氏の本を見つけ読みました。
ですから正確にはまだ杉本鉞子が書いた「武士の娘」は読んでいません。
内田義雄氏は「武士の娘」がどのように書かれたのか、その時代背景や杉本鉞子の生い立ち、そしてなぜアメリカに嫁いだのか、そしてその一生はどうであったかが書かれています。
杉本鉞子の父は司馬遼太郎が書いた歴史小説「峠」の主人公河井継之助と対立した、同じく越後長岡藩の家老稲垣平助の娘でした。
その河井継之助と稲垣平助が対立した経緯も大変興味深いものがあります。
内田氏は「武士の娘」には新渡戸稲造が書いた武士道と同じように「恥を知る」「廉恥を重んずる」という武士の娘としての思いが書かれていると書しています。
それでいて、アメリカ人も長く愛され、終戦後多くのアメリカ人が杉本鉞子の家を訪ねたと言われています。
杉本鉞子が書いた「武士の娘」はちくま文庫から出版されています。
私も近いうちのこの「本家本」を読む予定です。