今日は相続税の話をします。
相続税は今年の1月より課税対象者の拡大や税率の引き上げが行われました。
これにより相続税の対象者が拡大し、税収も増えます。
相続税に対しては「親の財産をもらうのだから税金を払っても当たり前だ」と思う人も多いでしょう。
しかし、この相続税を支払うために会社を閉鎖せざるを得ないという中小企業の経営者も多いのです。
日本の企業の95%以上割合を占める中小企業の経営者はそれほど高くない報酬で働いています。
年収1000万円ももらえればいい方でしょう。
その上、個人保証までして銀行から借り入れしています。
社長が頑張り、会社の業績が良くなると会社の株の評価額が高くなります。
真面目な社長は、自分の財産を作ることより、生活を質素にしながら会社のことばかり考えて頑張ります。
しかし社長が万が一亡くなると相続税が発生します。
社長の財産は会社の株がほとんどということもあります。
先日の日経新聞の「税金考」という特集記事に、ある中小企業の時価評価額が額面の500倍になっていたというのが紹介されていました。
1000万円の資本金で、株を全て社長が持っていれば50億円になります。
100倍でも1億円です。
それに対して相続税が計算されます。
しかし中小企業の株は上場企業と違って、ほとんど売買されません。
時価評価が高くても売れない財産。
相続する子供たちは支払えず、もしかすると会社閉鎖ということになります。
日本には一生懸命頑張っている中小企業の社長が数多くいます。
しかし一生懸命頑張った結果が会社閉鎖となるのはやり切れません。
「相続税が発生する人は金持ちだから」と単純な考えにには疑問を感じます。
リスクを負って起業し、頑張って会社を成長させ、社員の生活も向上させている中小企業経営者。
もっと報われていいと思います。