昨日は「訪問セールスマンは情報源」ということで書きました。
今日は具体的にセールスマンから得た情報の内容等を書きます。
一番印象に残っているのは「旅の窓口」です。
以前は宿泊客は旅行エージェントや特約企業からの送客が中心でした。
そのような送客状況の中で、12~13年ほど前、「旅の窓口」の営業部長と部下が尋ねてきました。
色々話を聞いたのですが、当時インターネットを使って宿泊予約をするなどほとんどなく、せいぜいホテルのホーページを見てメール予約をしてくれる程度でした。
私は「旅の窓口」の営業部長の話を聞いても、ピンとこず、その時は加入するのを断りいました。
その後2カ月ぐらい経った時、あるホテルの支配人と話していて「旅の窓口」の話が出ました。
そのホテルは既に加入していて、結構送客があるという話でした。
私はその話を聞いて早速旅の窓口の担当者を呼んで、すぐ加入しました。
その効果はすぐ現れ、宿泊稼働率はどんどん伸びて行きました。
その後ホテルのインターネット宿泊の割合は30~40%になり、大きな収益源になりました。
今はほとんどのホテル・旅館が加入インターネット宿泊予約をしていますが、当時はまだ加入ホテル・旅館の数が少なく、ホテル間の競争はありませんでした。価格もそれほど下げないでも売れました。
インターネットの宿泊予約システムはホテル側にとって使いやすいものでした。
ホテル側が「旅の窓口」に提供する客室数はホテル側で自由に決めることが出来、提供客室数の増減もいつでも出来ます。
提供価格も自由に上げ下げできるというホテル側にとっては画期的な仕組みでした。
送客手数料も1件当たり6%と当時の旅行エージェントの10~20%と比べると大変低いのです。
また、今もそうだと思いますが、旅行エージェントに提出する客室数は旅行エージェントに決められ、価格も一度決まれば変えることはできません。
そして、お客様が混んで客室が足りなくなた日でも、旅行エージェントにでした客室は、返して欲しいといっても返してくれません。
当日になって売れなかった客室は返されますが、その時は機会損出になって売れ残ってしまうこと多かったのです。売り価格も自由にはなりません。
そのような状況でインターネット予約システムが出現したので、やっとホテルにとって自分の「商品」を自分が自由に販売できることが出来るようになったのです。
このインターネット宿泊予約システムの最初が「旅の窓口」でした。
「旅の窓口」は最初に始めたこともあり、圧倒的な集客力を持ち、大きな利益を上げました。
親会社の日立造船は「旅の窓口」を楽天に売り、大きな利益を得ました。
最初に私のホテルに来ていた営業部長は小野田さんで、「旅の窓口」を立ち上げた人です。
「旅の窓口」が売却された時会社を辞め、別のインターネット宿泊予約会社「ベストリザーブ」を設立しました。
今思ってもあの時、ホテルに小野田さんが来なかったり、来ても会わずにいたら、インターネット宿泊予約に乗り遅れていたはずです。
早く加入したことで、後から加入したホテルより優位になったのは確かでした。