少し前、ある落語家が浮気をして、それが発覚し、週刊誌に掲載されたことがありました。
その落語家がテレビの前で釈明会見をした時、印象に残った話です。
「『マスコミから叩かれたのは身から出たサビ』と奥さんに言ったら、奥さんは『サビも味のうち』と言われた」と話していました。
奥さんが本当にそう言ったのか分かりませんが、「上手いこと言うな!」と思った人も多かったのではないでしょうか。
本当にそう奥さんが言ったとすれば、その機智の素晴らしさもそうですが、本当は許せない旦那に「逃げ道」を作って上げた。
そのように私は思いました。
相手に非がある時、感情のあまり、逃げ道を塞ぐような、そして相手を追い詰めるような話し方をする人がいます。
そうすると人は反発してしまいます。
間違えたと反省するより、反発する気持ちの方が大きくなります。
これは仕事の上でもそうです。
相手が「素直に間違えた」「やり直そう」と思わせる感情を抑えた話し方。
これが上に立つ者に求められる能力です。
先ほどの落語家の奥さんは、良き上司の素質がありそうです。