先日の新聞に「農地に流れ込むマネー」と題した記事がありました。
それによるとアメリカイリノイ州では1エーカー(約4000㎡)が8000ドル(65万円)の農地の出物があり、その売買のことが書いてありました。
8000ドルとは10年前の2倍の価格です。
その記事では「そんな高値では農業は採算が合わないと断った」とあります。
1坪を3.3㎡換算とすると、この農場は坪当たり540円です。それが高いのです。
それに対して日本の農地の価格は農水省の資料では、平成20年度全国の農地の平均売買価格は10a当たり田:144万円、畑:100万円となっています。
10aは1000㎡ですから約303坪。
坪あたり計算をすると日本の農地の場合、田:4750円、畑:3300円になります。
日本の平均農地価格はイリノイ州の畑と比べ6~9倍の価格です。
勿論日本の農地は簡単に売買は出来ません。
農地委員会の許可が無ければ売買が出来ませんし、そう簡単に許可されません
日本の農地は規制が多すぎる上に、アメリカとこれほどの価格差があるのです。
単に輸入規制をして農業を守るということがいつまでも続くのかと改めて考えさせられました。
アメリカの農業は「量」で日本の農業は「質」だと言われますが、それも限度があります。
日本の農業でも「量」、生産性を高めていくことは重要な方向性ではないでしょうか。
そして競争原理も必要です。
守りばかりだと衰退します。
衰退しているもう一つの例が林業だと思います。
林業は営林署などで国に管理された為、自然は残りましたが、山は荒れてしまいました。
木材価格も高く、外国モノに押されています。
この分野も見直しが必要です。
今の日本は色々な分野で、競争規制をし、守られた過保護社会の社会なのです。