前々回のブログで書きました「『遅れている業界』に注目」の続きを、次回書きますと言って遅くなりました。
私が経験した「遅れている業界」の一つは「ホテル業界」でした。
その遅れている「ホテル業界」参入してきて、ブレイクしたのは「旅の窓口」(現在の楽天トラベル)です。
「旅の窓口」によって、自由にインターネット上でホテルの予約ができるようになりました。
ホテル側も宿泊料金や提供客室数を自由に決められるようになりました。
それまでは、ホテルの宿泊は近隣の契約会社かJTBのような旅行代理店にお願いするしかありませんでした。
旅行代理店との取引は、一旦提供した部屋については、ホテル側は料金も部屋数も変えることができません。
たとえ、ある日急にお客様が増えて部屋が足りなくなっても、提供した部屋は返してらえません。
と言って、旅行代理店は提供された部屋が売れ残っても保証してくれません。
自分のホテルの部屋なのに臨機応変に売ることができません。機会損失が大変多かったです。
そのうえ旅行代理店から送客されると、その売り上げの10%、多いところでは20%も手数料が取られます。
それでも、旅行代理店との取引を止めれなかったのは販売先が限られていたからです。
そのような「遅れているホテル業界」に風穴をあけたのは「旅の窓口」です。
自分のホテルの商品である客室を臨機応変に、価格と提供室数を自由に決めることができるようになりました。その上送客手数料も6%でした。
「旅の窓口」のおかげでホテルは商売の自由を得たのです。
確か「旅の窓口」は日立造船の新規事業部門で始まりましたが、たいへん多くの収益を出すようになりました。そして「旅の窓口」を楽天に売り、苦しかった本業立て直しの大きな要因になったそうです。
私は、このホテル業界に次に狙うべき「遅れている業界」は不動産業界だと思っています。
このことについては、またいつかお話しします。