その中で気になるのは企業に対する課税です。
やはり会社経営にをしている者として増税は辛いです。
「税金も経費の一部としてとらえなさい」と稲盛和夫さんは言われます。
その税金で日本人の生活が成り立っています。
それではその企業の公的負担はどの程度あるのでしょうか?
昨年の6月に経済産業省がまとめた資料によると、日本の企業の負担率は50.4%でアメリカやイギリスより高いのです。
アメリカは42.8%、イギリス41.6%、オランダは31%になっています。
日本の公的負担の内訳は国税と社会保険料の事業主負担あわせて31.8%、地方税が18.6%です。
また法人税負担の純益に占める比率(実負担率)を見ると、アメリカは27.8%、イギリスは22.4%に対して日本は35.5%です。
こうして見ると日本の企業が果たしている貢献度はそれなりに評価されていいモノだと思っています。
このような高率負担をしている企業に対しての増税論議が生まれることが、企業経営する側からしてみると残念な気がします。
経営者はリスクを覚悟し起業し、自分の全てを掛けてその事業に打ち込み利益を出します。
経営者は経営の全責任を負いますので、借入にしても個人保証を求められ、もしかすると全ての財産を没収されます。
そのようなリスクを負ってまでも自分の夢をかなえる為に努力した結果が会社の純益です。
その汗の結晶から「経費とみなそう」と高率の公的負担をしながら頑張っているのに、それより高い負担を平気で求めるというところが納得いかないところです。
これ以上の負担が高まると、力ある企業は、「静かに」公的負担の少ない国々へシフトしていくことでしょう。
企業は生き延びる為には、あらゆる努力をします。
タイなどの国々ではそのような企業の誘致を積極的にはかっています。
金の卵を産むガチョウからもっと卵を産まそうとして、殺してしまう行為に似ている思いがします。