新聞では毎日、新しい総理選出問題が取り上げられます。
私はあまり政治的な話をするのは好きではありませんが、その仕組みには以前から疑問を持っています。
それは政治家と官僚との関係です。
民主党は政権をとる前、官僚依存脱却、政治主導と言っていました。
それで結果、政治主導は取れませんでした。
自民党時代の安倍さんから菅さんまで1年おきくらいで首相が変わり、閣僚はそれ以上に変わっています。
その中で本当に政治主導が取られていたらどうなっていたでしょうか。
首相が変わるたびに考え方、方針が変わっています。
そのような状況の中、現実問題として政治家に代わって官僚が行政間や外国との関係を維持しながら行政を仕切ってきていました。
首相がこう度々変われば仕切らざるを得ない状況になってしまうのではないでしょうか。
外国政府高官にとっても政治家とのパイプも作れず、より官僚頼りにならざるを得なくなっています。
アメリカは大統領制をとっていますので、高級官僚は大統領と共に変わります。
アメリカの職業公務員が昇進出来るのは課長までです。
行政・政治の仕組みが日本と違います。
同じ内閣制をとるイギリスにおいては首相に任期はありません。
議会の信任があり、選挙のたびに国民の支持が得られれば、いつまででも続けることは可能です。
私は政治の仕組みはあまり詳しくはないのでここまでにしますが、どちらにしても首相が簡単に変わる日本の政治の流れこそが強固な官僚体制を作った原因だと私は思っています。
その官僚体制は地方の行政組織まで浸透し、各地域でも上席の公務員は自己保身に向かっているきらいもあります。
では「公僕」という言葉は遠い昔に忘れられてしまったのでしょうか。
そうではなく国民のために、市民のためにと思っている公務員の人達は多いと思います。
私の知人の公務員も市民活動にも熱心です。
ですからここでは一般の公務員と高級官僚とは一緒に論じるつもりはありません。
ただ、何時になったら本来の政治主導の日本になるのか、もはやそれは無理なのか、最近は少し諦めの心境になっています。