専務や常務が先代の社長を引き継ぐ場合は、長年先代社長と共に経営をしてきているので、経営を知っています。
この場合は特に問題はありません
社長の息子が引き継ぐ場合、特に経営経験が無い中で引く次ぐ時、いろいろ問題があります。
経営の基本はその会社の根幹を早く学ぶことです。
普通、最初から社長として入るより、部長とか常務とかの肩書きで入るのが多いと思います。
入社した時大事なことは、最初は現場に入って朝から晩まで誰よりも働くことです。
そして謙虚な気持ちで仕事をすることです。
なまじっか管理部門に入れたりすると「頭でっかち」になってしまいます。
稲盛和夫さんも2代目社長の心得として「まず親の代からの経営幹部たちに仁義を切りなさい」といいます。
一席設けて「至りませんが、また社長の器ではないかもしれませんが、将来社長のお役割を務めさせていただきます。」とお願いし、1人1人にお酒を注いで回るのです。
この謙虚さが無いと誰からも見向きされなくなります。
稲盛さんは「爺殺し」という言葉も使います。
「爺殺し」とは気軽に年配の方にすり寄っていって、いろいろ相談を持ちかける人のことです。
人間というものは不思議なもので、厚かましくヒョイヒョイやってくると、最初は無礼だと思っていても、その内アドバイスするようになるということです。
このテクニックも謙虚さが無いと使えません。
私も父の会社に入社した時心したことです。
過去の私の仕事の中で、それなりに実績が出た時はほとんどの場合、年配の良き相談者なりパートナーがいました。
ある意味、私も「爺殺し」が上手かったのかもしれません。
親から引き継いだ2代目3代目経営者が一番ダメなのは、現場の仕事を軽く見て、経験程度で終わり、外部活動にいそしむことです。
人脈を磨くと称して、青年会議所やライオンズクラブ、ロータリークラブに入る人が多いです。
そこに入っても遊びを覚えるだけ。
そして、なまじっか良き人脈や情報を得ると、それにこだわり仕事を進めてしまおうとします。
でも、そのほとんどが失敗します。
現場が良く分からず、なかなか皆から信頼を得られない時、ついスタンドプレーをしてみたくなります。
でも、経営の原理原則・基礎が出来ていない時に、小手先で経営するような事を知ってしまうと、取り返しがつかなくなります。
2代目3代目は最初からある程度の地位を与えられます。
自分も周りも将来は社長になると思っています。
だからこそ、何度も書きます「謙虚さ」が大切です。
「謙のみ福を受く」の言葉通りです。