今日もその続きになります。
昨日のブログでは、2代目は心して経営しなければならないと言う内容のものを書きました。
創業者と2代目に関する言葉として、「守成は創業より難し」という言葉があります。
これは中国の古典の貞観政要に書かれていて、徳川家康も読んだと言われています。
現在も多くの経営者が読んでいます。
「守成は創業より難し」の意味は、その事業を守り抜く2代目、3代目は創業者より大変で、難しいということを述べています。
創業者は無手勝流であっても自分の思い通りの会社を作り上げることが出来ます。
部下はみな自分の子供のように思えます。
少し位我儘を言っても許してもらえます。
そして創業者として尊敬されます。
一方2代目はその創業者と常に比べられる立場です。
少しでも業績が悪くなれば非難されます。
そのような会社を維持し、発展させるには本当に実力が必要になってきます。
もしかしたら創業者以上に人格的にも高いものが求められます。
宋文州さんのメールマガジンに書かれていた場面があります。
ある会社の創業記念パーティ時、真っ先に年老いた創業者がヨロヨロした足元でお客様のところを1人1人お酌して回った時、宋さんは感激したそうです。
それに比べ後継者は・・・・。
そして宋さんはこう書いています。
「創業の苦難を乗り越えた人の身に染みついた感謝は、言葉が少なくてもその表情や体から滲みだすのです。
2代目は経営がもっと良くなることがあってもこの感謝の気持ちはないと思います。
恐怖と苦難と闘って僅かな勝算にかけて生き残ったことを通じて、人は感謝の本当の意味を知るのです。
『怖かった!』、『助かった!』という呟きの後にだいたい『ありがとう。』と続くのです。」
2代目3代目が会社を守成するのは大変です。
その2代目3代目に抜けがちなのは、その本当の「ありがとう」ではないかと思っています。
創業者は会社を作り、山あり谷ありの中、苦しかったことや辛かったこと、そして「怖かったこと」の経験の中、生き延びた時、「お陰様で」とか「ありがとう」という言葉が心の底から湧き出てきたのです。
そのような経験から発せられる「ありがとう」の言葉は大変重いもので人に感動を与えます。
お店でモノを買って「ありがとう」と言う言葉とは、その重みが全然違います。
うわべだけの言葉は、時として薄っぺらく感じます。
後継者は自分で意識して、早くに本当の苦労をするべきでしょう。
その中から這い上がり、心から発せられる言葉を使えるようになれれば、創業者を超える経営者になれるのではないでしょうか。