知人誘われての参加でした。
今回のプレゼンターは2名。支援者などが20名ほど。
プレゼンターは自分の夢を語ります。
「ドリームプラン・プレゼンテーション」とは株式会社アントプレナーセンターの福島正伸氏が進めているものだそうです。
昨日このプレゼンテーションに参加して感じたのは、夢を語るのは良いのですが、その根拠や裏付がなく、現状と将来の姿が混在したような話でした。
特に「何のために」「誰のためにの」「どのように」という観点が抜けていました。
思いあまり、私はこの事と、数字の裏付けはどうなっていますか?と主催者に質問しました。
その回答として、改めて「ドリームプラン・プレゼンテーション」の目的が話されました。
「ドリームプラン・プレゼンテーション」はいかに楽しく感動する夢をあきらめない為、そして人間として成長することを支援するものとのことです。
事業計画等の数字を考える前の段階、胸が「ワクワク」する段階がこの「ドリームプラン・プレゼンテーション」だとのことです。
確かにそうです、私が起業する人達に話すのも、最初は自分の「ワクワク」する夢を膨らますことが大切で、誰かにその夢を潰されないために守ることは大事だといいます。
その次の段階ではその夢を実現するために充分数字の裏付けをして行かなければなりません。
起業を夢見る時は「楽観的に」、それを事業として計画する時は「悲観的に」、そして実行が決まり、会社設立して時は「楽観的に」するのがポイントです。
この夢を見る時の段階がこの「ドリームプラン・プレゼンテーション」なのでしょう。
夢を創り出すことは大切です。
日本人は「遂行能力」はあるが、「目的をつくる能力」は他の国の人より劣ると言われます。
ですからこの「ドリームプラン・プレゼンテーション」はいいことです。
ただ、このプレゼンテーション後はどうなるのかという疑問が残ります。
夢を膨らませてもそれを実行するための力が無ければ無意味です。
もしかすると、それ以上に害があります。
あまり否定的なことは書きたくないのですが、私の若い時に言われたことと重なってきます。
私が学生時代「あなたの生きがいは何ですか?」とか「あなた探しをしなさい!」という風潮がありました。
多くの文化人、インテリゲンチャ―という言われる人が、雑誌やテレビで話していました。
その中でも寺山修二氏の言葉に特に若者に影響を与えました。
寺山氏の言葉に「わたしの存在そのものが質問なのだ。その答えを知りたくて生きてるんだ。」というのがありました。
大変哲学的です。
それに感化された若者たちは、「自分探し」の旅に出た人も多かったです。
海外1人旅も増えました。私もその1人でした。
その経験から何かを見付けて成長して人もいましたが、多くの「フーテン」も生み出しました。
職を転々として、30歳40歳になっても「自分探し」をしていた人がいました。
私はその時の現象と今の「ドリームプラン・プレゼンテーション」がダブってきています。
これも「自分探し」みたいなものです。
ただ違うのは、「自分探」しの旅は誰でも出来ますが、起業をする人は誰でも成功出来る訳ではありません。
本当に夢があり起業したいと思う人が成功します。そしてその裏付けがあり、遂行能力がなければなりません。
起業しても成功しなければ起業の意味がありません。
「ドリームプラン・プレゼンテーション」を見ていて、思ってしまうことがあります。
もしかしたら、プレゼンテーションをしている人の中にはただ単に現実逃避して、夢の中で生きようとしている人もいるのではないかと。
もしもそのよな人達がそれに気付かずいることは不幸なことです。
勿論、この「ドリームプランプレゼンテーション」を通して成長する人もいるでしょう。
しかしそうでない人の方が多いと思います。
もしもその運動を推進するのであれば、そのプレゼンテーションの後も、それを事業として数字に置き換え実現するかどうかまでフォローしてあげなければ無責任です。
夢を膨らませるだけ膨らませて「後は知らないよ」では問題があるように思います。
私も起業成功を応援する1人として、危惧しているところです。