スカイマークが頑張っています。
ご存じのように今、日本航空が会社存続の危機に陥っています。
全日空もリーマンショック以降、急激に収益が落ちています。
その中で、スカイマークは今年の4月~9月期の最終損益が19億円の黒字になったそうです。
前年同期20億円の赤字だったことを考えると急浮上です。
スカイマークの搭乗率は76%で前年と同程度の数字です。
それに対してJALや全日空は60%に落ちています。
急浮上の要因はいろいろあるでしょうが、その中で私が注目しているのは仕様機種をB737の1機種にまとめたことだと思います。
従来は280席のB767とB737の併用でした。
機種を1種類にまとめることで「部品在庫管理の簡素化」「メンテナンス手順の統一」など飛行機運営上の効率が高まりました。そして大きくコストが削減されました。
このスカイマークの運営方法はアメリカのサウスウエスト航空の戦略に倣ったものだと思います。
サウスウエスト航空のことは「破天荒『サウスウエスト航空驚愕の経営」』に詳しく書かれています。
サウスウエスト航空もジャンボのような大きい飛行機ではなく、B737のような中型機1種類に徹しました。
メンテナンスの効率化を目指し、着陸して機体点検、燃料補給をして出発するまでの時間が大幅に減少しました。
それまで飛行機の出発時間が遅れるのが当たり前のようになっていたところに、時間通り出発が出来るようになり、差別化が出来るようになったのです。
サウスウエスト航空はアメリカン航空やデルタ航空が収益を下げている時でも急激に売り上げを上げました。
その理由は大手航空会社が就航しない地方空港に中型機を飛ばすことで、地方便を独占するようになりました。そこれはブルーオ-シャン戦略そのものです。
今、日本の地方空港からJALや全日空が撤退する時、スカイマークの中型機の出番でしょう。
「主要空港と地方空港」、「地方空港と地方空港」という路線は、小回りが利く航空会社が適しています。
ますますスカイマークが躍進するのではないかという予感がします。
大きい企業が出来ない部分を小さな企業が占めて、収益を上げていく。
ご紹介したケースは「小さいからこそ出来る」を証明したように思います。