事柄を判断する時、第一に「損・得」で決めるのは良くないと言われます。
「善・悪」の善いことか悪いことかの判断で決めるべきです。
この事はよく理解されていると思います。
ただ、その時1つの問題があります。
「好き・嫌い」という感情の問題です。
人間にとって、この「好き・嫌い」の判断基準はどうしても先に立ちます。
会社の経営者として考えてみます。
経営判断、商品開発、人材活用等では、「善・悪」が最初に来、次に「損・得」を考え、その「適正・不適正」の判断基準にします。
一般的にはそのようなことがいいと言われています。
しかし実際は、時として「好き・嫌い」が最初に来ることが多いのではないでしょうか。
もしかすると、ほとんどの経営者はそうなのかもしれません。
常に自分の感情を押さえて経営判断することは不可能です。
精神的に参ってしまいます。
では感情中心の「好き・嫌い」で経営したらどうなるでしょうか。
一時的にはその経営者の優れたアイディアなどで時流に乗り、上手くいくこともありますが、すぐ墜落してしまいます。
これが多くの優れた若手経営者の失敗の原因の1つだと思います。
「善・悪」だけで経営すれば精神的に参り、「好き・嫌い」で判断すれば経営がうまくいかない。
どうすればいいのか。
私が思うには「好き・嫌い」の感情と「善・悪」理性的判断が近づくように努力することが大切だと考えます。
「善・悪」の認識が、自分の「好き・嫌い」の感情に近づけば、なんのストレスなく適正な判断が出来るのでしょう。
経営者としての勉強は人間形成と言われるのはそう言うことです。
稲盛和夫さんが言われる「心を高める・経営を伸ばす」という考えに一致します。