昨夜は長年勤務していただいた取締役部長の送別会がありました。
身近の人達だけ、9人が集まりましたが、いい送別会でした。
部長は私より2歳ほど若いのですが、60歳をもって退職するということです。
私はこの部長とは30年の付き合いがあり、退職するということがまだ実感として感じることが出来ません。
銀行員から父の会社に入り、本部勤務の時に出会いました。
私は入社時はほとんど新入社員状態で、色々教えていただきました。
特に経理実務に関しては徹底的に指導されました。
当時はパソコンも無く、全てが手書きで決算書まで作りました。
そのおかげで今、どの決算書を見ても内容を把握できるようになりました。
その部長が送別会の時、挨拶をしたのですが、いつも冷静である彼とは違い、涙ながらに心境を語ったのが今でも私の心に残っています。
部長は本部勤務が長く、私の父が社長・会長であった時、常に傍にいた人でした。
父は亡くなる半年前まで、することが無くても会社に出てきました。
父がいつまでも元気であるためという思いで、部長を中心とした会社の人達が送り迎えから、散髪にも車で送って行くくらい、私達家族以上に世話をしてくれました。
部長はあいさつの中で、「会長が朝、事務所のドアを開け、片手を上げ、おはよう!という声が懐かしい」と泣いてくれました。
父が2年前の11月に亡くなり、母も昨年の9月に亡くなった頃から、彼は会社を辞める気持ちでいたようです。
事務所の人の話によると1年ほど前から時間を掛け、会社の書類の分類・整理を完璧にしていたそうです。
元々生真面目な人です。
自分が辞めた後のことまで時間を掛けて整理したようです。
今の社長である兄も、公私ともに部長に頼ってきたところもあり、大変残念そうです。
今さらに、「父は多くの良き人材を育ててきた」との思いがします。