昨日は経営戦略について書きました。
8つの戦略、①商品戦略 ②地域戦略 ③客層戦略 ④営業戦略 ⑤顧客戦略 ⑥組織戦略 ⑦財務戦略 ⑧時間戦略です。
その中の「何を売る」の商品戦略は説明しました。
今日は「どのような人に売る」の「客層戦略」について書きます。
昨日の様に居酒屋を例にします。
店主に「どのような人に使っていただきたいですか?」と尋ねると、「どなたにも喜んでいただけるお店にしたいと思いますます」と言う人が多いです。
でも、このような店を目指すなら大変多くの費用と時間がかかります。
資本力のあるチェーン店などがとる戦略です。
資本も少なく、小さく起業した居酒屋ならお客様を絞り込むことです。
そのお客様層に「集中する」こと。
札幌にあるそうですが、阪神タイガーズのファンばかりが集まる居酒屋があり、いつも阪神フアンで混んでいるそうです。
阪神ファンは不思議で、勝っても負けても気勢を上げ応援します。
そしてファンを辞めらません。
私の知人にも阪神フアンがいます。
北海道に日本ハムが来て、彼も日本ハムのファンになりましたが、阪神は見捨てれないと言います。
阪神・日本ハム戦では阪神側に座って応援しています。
その阪神フアンに絞った店にしています。
これは野球ばかりでなく、サッカーやその他のスポーツや趣味の世界でも同様なことが出来るはずです。
また、知人から聞いた話です。
ある居酒屋は「〇〇高校の同期会指定」になっています。
同窓会でなく同期会です。
同じ時に高校を卒業した仲間は大学や就職でバラバラになっています。
しかし60歳位になると昔が懐かしくなる時です。
同期会の幹事から同期一同に「毎週〇曜日の19時から△△居酒屋で同期会やっています」と声を掛けておきます。
あの人に会いたいと思う人、時間が出来たから顔を出そうと思う人、東京からの旅行を計画する時、ついでだから顔を出すよう組んでみようと思う人。
最初は参加者も少なかったそうですが、歳をとるにつれ増えています。
また別の知人が、以前ある街でスコッチウイスキーのシングルモルトが好きな人達だけが集まる会を開きました。
好きな人は、高くて珍しいモノも飲みたいのですが、なかなか手が出ません。
それが会費1万円で、10名集まれば10万円になります。
手が出なかった美味しいウイスキーを味合うことが出来るのです。
その会はドンドン人気が出て、とうとう店を作りました。
会員は50名と決め、それ以上は増やさず、欠員が出た時しか入会できません。
どうしても行きたければ会員の同伴者としてしか入店出来ません。
その客層はその街の経営者・政治家達等のそれなりの地位の人達が入り、その会に入るのが1つのステータスのようになりました。
この店は儲ける為に始めたのではなく、楽しみを広げるという、経営とは若干違いますが、それでも客層を絞り込む点では参考になる話です。
このような実例は沢山あります。
「小資金で起業する」「身の丈で起業する」はランチェスター戦略でいう「弱者の戦略」を応用することでしょう。