確かに経営する時、数字を押さえることは大切です。
数字は経営にとってGPSであり羅針盤です。
しかし大切なのは動かす「動力」です。
数字をいじくって、数字を見ていれば経営が出来ると言っている社長がいます。
組織をいじって経営改善をしようとする社長がいます。
でもそれだけではダメです。
経営は熱い情熱と、向かうべき方向を明確に示し、社長が先頭に立って進まなければいけません。
戦争になぞらえて「社長が先頭に立って討ち死にしたらどうなる」と言う人がいます。
経営は戦争ではありません。
経営で死ぬことはありません。
数字や組織をいじくって、それが経営だと思っている原因の一つに、経営の勉強会があります。
特にいけないのが起業者向けの勉強会です。
官庁関連が主催する講座の講師が不思議と「士業」の人が多いのです。
中小企業診断士会計士、税理士、時には司法書士です。
弁護士もいます。
そのような講座では主にビジネスプラン・事業計画書の書き方、マーケッティング等を中心として進められます。
勿論ビジネスプラン・事業計画書作りやマーケッティング理論は大変重要です。
でも時としてそれが中心となると、起業者は「経営=数字」と認識してしまいます。
熱い情熱を持ち自分の夢に向かっていく充実感、それを支える「正しい考え方」を教え、納得してもらうことが第一。
その後に数字の説明です。
起業し仕事を始めるとトラブルにあいます。
欠かせない教えのは、多くの人に起こるトラブルの紹介とそれを解決する考え方です。
1例を上げれば、起業して初めての仕事を受け嬉しくてつい細かい支払条件を詰めず売上を上げることの夢中になる人がいます。
その場合支払時にトラブルが発生します。
昔私が父から教えられ実行してきた1つに「後の喧嘩先にせい!」です。
「後で起こるだろうもめ事は、先に済ましてから始めよ」の意味です。
支払のことでお客さんとトラブルを起こしている起業家が私の周りでもいます。
このような実際の経営に即した話は経営者でしか話せません。
また経営は「続けること」が大切だということも教えます。
どんな素晴らしい業績を上げている会社も、落ち込むことがあります。
それを我慢して経営し続けた結果業績が伸びていくのです。
失敗した起業者の多くが、この1度の挫折であきらめてしまっています。
「経営は数字でない。熱い情熱だ!」