起業して一生懸命努力していくと事業も拡大して行きます。
ところがあるところまで行くと止まって、落ちて行く人がいます。
その原因はいろいろあります。
その内の1つを紹介します。
起業する目的は様々でしょう。
単に社長になりたかったとか、お金を儲けるとか、異性にもてたいというのもあるかもしれません。
その動機は不純でいいのです。
勿論初めから世の中のためになる事業を起こそうと思う人もいます。
その数は少ないでしょうがいます。
それは素晴らしいことです。
でも最初は金儲けしたいという気持で始めてもいいと私は思います。
ただその思いのままで仕事が拡大していくとある壁にぶつかります。
仕事がうまく行くと、社長はもっとお金を儲けたいと考えます。
そうするとつい儲かりそうだと思い、本業以外に手を出す人がいます。
これが壁になり、つまづきになります。
例えば家具の製造業が儲かりそうだからと、福祉介護の仕事したとします。
福祉介護の仕事は全く家具の仕事と関連しない世界です。
福祉介護の世界に参入することで、資金、戦力は分散されてしまいます。
以前紹介しました「弱者の戦略」は一点集中戦術に徹しなければなりません。
これに反することになります。
このような失敗をして学ぶことは、会社の目的が金儲けだと、間違いを招くということです。
会社の目的を利益第一だと、つい本業以外の仕事に手を出してしまいます。
それを防ごうとした時、会社の目的がもっと別の志の高いものでなければならないと気付きます。
その時初めて会社の存在理由が明確になります。
そして本業の仕事に戻ります。
そうなれば一度落ちた業績も格段に伸びていくでしょう。
起業当初、起業のエネルギーとなる「金儲けするぞー」という思いは必要です。
でも、そだけではどこへ飛んでいくか分かりません。
エネルギーは目的には成り得ません。
会社の目的となる「理念」作りは必要です。
最初は無くても、壁にぶつかって必要だと気付きます。
起業した時、お飾りで目的や理念を作ることがあります。
でも本当に苦労した時に作った目的、理念こそが本物になります。