先日ある集まりでの話。
建築会社の社長に聞きました。
「いま、東日本を中心に建築関係の仕事が多いのに、人手が足りなく、見込んで輸入したコンパネが値崩れを起こしていると新聞に書いてあったけれど本当?」
社長の話では本当に人手が足りなくて困っているそうです。
熟練工と言われる人材ばかりでなく、人手も足りないそうです。
その大きな原因は、ここ数年の不況と併せ、公共工事が減少したことです。
そのため建築会社が淘汰され、人員も整理されました。
ここへ来て急に仕事が増えても、需要に追いついていけないのが現状です。
ただ、このような時こそ会社の格差が出てくるのかもしれません。
稲盛和夫さんの話です。
稲盛さんが経営する京セラも石油ショックなどの不況を経験して来ました。
稲盛さんはその都度、仕事が無くても人を辞めさせず耐えたのです。
その結果、景気が回復した時はすぐに臨戦体制に入れ、売上を伸ばすことが出来ました。
「人こそ財産」で、不景気は会社を成長させるステップだったのです。
ところが、景気が悪く売上・利益が少ないからと言ってすぐ人員カットした会社もありました。
そのような会社は景気が良くなっても人がいないので完全に出遅れてしまいます。
稲盛さんが常に言う「内部留保が重要だ」ということが、会社の「自力」の差として出て来ています。
今回の建築業界も同じ環境とは言えないにしても、人手不足と言われても、人材・人員が揃っている会社はあるのではないでしょうか。
その様な会社とそうでない会社との差がこれから出てくるのでしょう。