中坊公平弁護士の講演時の話です。
中坊氏は「森永ヒ素ミルク事件」などの訴訟裁判で弁護団長を務め、20年ほど前には(株)住宅金融債権管理機構社長などを歴任していました。
その中坊氏が弁護士仲間から聞いた話として紹介されていました。
「小学生の頃は、出来の良い子は、何かをして褒められると、こういうことをすると褒められるのかという感覚をいちばん先に知ります。だから、褒められるようなことをするんです。それが積み重なってだんだん良い子ができるんです。
しかし今になってみると、そこに1つの落とし穴があったことに気が付きました。いい子と言うのは、結局、他人の価値判断というものが常に自分の前提にあるんです。
だから、こういうことをしたらどう思われるだろうかということを常に気にするようになります。自分で良いことをしようと決める前に、他人の価値判断や何らかの見方があって、こういうことをしたら褒められるのなら自分もしようということになるんです」
この話を読んで、「成程!私がそうだった!」と得心しました。
何をするにしても、まず「人からどう思われるのか」ばかりを気にしていたように思います。
自分で自分に「よく見られたい」という枠をはめていたように思います。
納得する話です。