現代、私達の周りにはパソコン、スマホ、タブレットなどが身近にあり、大変便利の時代になっている様に見えます。
私はこのIT関連の進歩には追ていけません。
最近は『チャットGPT」と言う、パソコンに向かって質問をすると、完璧に回答を返してくれるシステムもあるそうです。
人間は考えることを必要としません。
私はこの進歩の速さに、少し恐怖を覚えます。
以前に読んだ、臨済宗の僧侶である松原泰道氏の本の中にそれを示唆する文がありました。
「子貢(孔子の弟子)が旅先で農夫が井戸から水を汲み上げては水田に運ぶのに出会います。
子貢は労力を省くために、テコの理を応用したハネつるべの使用を教えます。
詳しい説明を聞いた農夫は、初めは感心していましたが、子貢の話が終わると激怒して反論します。
『私は、自分の先生から言われたことがある。機械を使うと人間は機械的になる。機械の様な心の持ち主となる。そして、機械的な行動をする。素朴さを失う。精神の制御が不安定になる。すると正しい思慮分別が出来なくなり、想像心をなくすと。
私はハネつるべを知らぬことを恥じるより、それを使う人間になることを恥じるのだ』
仏教学者の鈴木大拙博士はこの話を引いて、機械に頼る心を『機心』と名づけ『機心は想像力を失うと論じます」
私はこの話に完全に同調します。
まさに今の私達にITに頼り切る恐ろしさを教え、忠告しているのだとさえも思えます。