人は自分の夢や目的を立て進んでいきます。
生きがいをその夢に託して努力しています。
ところがある切っ掛けがあって、その自分の夢や目的を他の人の為に止める。
他の人の目的の為に自分の夢を「手段」に変える。
そんな話を先日、稲盛和夫さんのDVD見ていて気付きました。
京セラが創業した当初の目的は「稲盛和夫の技術を世界に問う」というモノでした。
ところが創業間もない頃、入社したばかりの若者達が、待遇の改善や将来の保証を求めてきました。
何日もかかって彼らを説得した後、稲盛さんは会社を創業した事を少し後悔しました。
しかしそれでも「これからは社員の為に会社を発展させなければならない」と思い直したのです。
その時に作ったのが京セラの経営理念です。
「全従業員の物心両面の幸福を追求する」
それまでの会社の目的であった「稲盛和夫の技術を世界に問う」は無くなりました。
稲盛和夫の技術は新しい経営理念の「全従業員の物心両面の幸福を追求する」為の「手段」になったのです。
「今までの目的」を捨て、それを「手段」に変える事は難しいです。
それは「自我を捨て去り、利他に生きる」そのもののように思います。
私にはなかなか出来ません。