これは昨日に紹介しました「日々採算をつくる」と同様経理に関する話です。
「京セラでは不良資産を発生させることを厳しく戒めています。
必要な時に必要なだけ買いいれること、必要なものだけをつくることが原則です。
余分なモノを買ったり、余計なモノをつくったりすると、不良在庫を発生させ、無駄な経費を使うことになります。
しかし、万一不良資産が発生した場合には、ただちにこれを処理することです。
一時的には損失を出すことになりますが、目先の数字にとらわれず、勇気を持って不良資産を処理しなければなりません。
これをせずに問題を先送りすると、さらに大きな損失につながります。
経営は常に健全な資産状態で行われる必要があるのです。」
製造業の場合、受注生産であっても、作り置きや余分に作ってしまったモノが発生しがちです。
それを売れるかもしれないからと言って在庫にして置くと、仮に売れる物でも2~3年経つと売っても二束三文にしかならなりません。
稲盛さんは言います。「そのような不良在庫や不良資産は、経営者自身が棚卸をして、不要なモノはなるべく消し、落とすようにしなければなりません。
ここで大切なことは、不良資産を落とすというのは、自分の都合によってすモノのではありません。
利益の出ている時に、利益を少なく見せる為にしたり、利益が出ない時にはしないということではなく、利益がどうであれ、常に健全な資産だけを残すようにするべきです。」
また不要在庫を抱えないために、「当座買い」の必要性も説いています。
私たちは会社でもまた個人でも、安い時に買っておこうとしてり、大量に買えば安くなるので買ったりします。
しかしそれでは無駄が多く出、結局は高いものについてしまうのです。
この事について稲盛さんは書いています。
「当座買いは、一般的には高くつくだけで常識的に反するやり方だと思うことでしょう。
ところがそうではありません。それは実に合理的な買い物の仕方なのです。
なぜなら、当座買いは高くつきますから、必要な分だけしか買いません。
人間というのは面白いもので、必要ギリギリの数しかないと思うと、どんなものでも実に丁寧に、大事に使うようになります。
ところが、それが倉庫に山ほどにあるとなると、どうしても粗末に使ってしまいがちです。」
確かに私の会社でもビス一本大事に使っているかというとそうではありません。
落としても拾おうとしません。拾うより生産性と高める方がいいという方便を使います。
ギリギリしかビスや材料が無ければ、落とすようなミスをしないようになり、より真剣に作業をし、製品もオシャカに成る率も低くなります。
「当座買い」をするという考え方は改めて考えてみる方法だと思います。