昨日は「人手不足」ということを書きました。
また土木や建築に携わり、外で働く人のことも書きました。
彼らは立派な技術者です。
その技術を身につけるには単に知識の取得ばかりでなく、現場での経験が重要です。
現場では常に厳しい叱責もあります。
その中で鍛えられていくのです。
それを甘やかすと、それなりの技術しか身に付きません。
しかし最近は「厳しくすると辞める」という話を良く聞きます。
辞められると困るから雇用者は甘くなる。
結果「職人」と言われるプロが少なくなっていきます。
私の今住んでいる家は5年前に当社の関連住宅会社に依頼しました。
大工さんは昔から知っている人で、親子で造ってくれました。
1階部分は父親、2階は息子が担当。
その出来映え。
全然違います。
父親は幅木や台輪のつなぎ目等の正確さは流石です。
息子は鋸の刃一枚違います。
クレームではないですが、住宅会社の担当者にそれを話すと腕の差を認めていました。
「父親が息子に厳しく言えない。それで甘い仕事になる。
そのことを父親に何度も言っているんだけれども厳しくなれない。
将来、父親が引退したら息子は棟梁として認めてもらえないだろうね。」話していました。
父親は若い頃、宮大工としての厳しい修行の経験もあり、その腕は素晴らしいモノです。
相当の熟練が必要と言われる床の間作りも出来ます。
それに比べて息子の技量は大したことがありません。
厳しさこそ人を育てる。
その見本のような話でした。