昨日、日本経済新社主催で「ほっかいどうにできること」という題名のセミナーに出席してきました。
基調講演は日本ハムファイターズオーナーの大社啓二氏、続いてグーグル名誉会長の村上憲郎氏の話があり、その後釧路公立大学長の小磯修二氏、植松電気の植松努氏、知床羅臼町観光協会事務局長の三浦里紗氏を交えたパネルディスカッションと続きました。
今後の北海道をそれぞれの立場で話され、興味深いものでした。その中でも特に興味を持ったことを書きます。
グーグルの村上さんはやはりグーグルのことを中心に話されました。
皆さんもご存じだと思いますが、グーグルのミッションは無料でサービスを提供することで、収入約2兆円のうち97%が広告収入、3%がサーバーの利用収入です。
グーグルの一番の課題はコスト削減、その中でも電気量の削減には力を入れています。
サーバー使用と発生する熱を冷やすための電気量は莫大なモノです。
そのサーバーは全てぐグーグルが自前で作っているそうです。
そのサーバーの設置場所は、札幌ドーム球場の大きさ位あり、それが何か所にも分かれています。
データーが膨大に増え続けるので、それに合わせてサーバー設置もこれから限りなく増えていくそうです。
ユーチューブの登録でさえ、1分間で24時間分が登録されています。
電気の品質のことで、アメリカと日本を比較する数字が示されました。
年間の平均停電時間はアメリカが9時間に対して日本は4分というデータがあり、日本の電量事業者の優秀さを強調していました。。
パネルディスカッションの中で興味あったものを若干紹介します。
植松電気の植松さんからの話です。植松電気は建設機械の会社ですが、今はハイブリッドロケットの開発で有名になっています。
現在1年のうち300日は講演に出かけて、日本中の経営者達とも話をしているそうです。
その中で感じたことは
①現在日本では経済の構造変革が起きており、本州の起業には危機感が高まっている。従来のスタイルを変えようとしている。しかし北海道の企業にはそれがない。
②北海道は行政に依存した経営スタイル。自分たちで考えない。
③してもらう気持ちが北海道経済低迷の敗因である。
釧路公立大学長の小磯さんは地域経済研究の専門家です。その立場からの発言です。
グーグルの村上さんが九州大分県出身と言うこともあり、小磯さんから九州と北海道を比較しての話がありました。
九州は県が7つあり、7人の知事が互いに競い合っています。北海道は1人の知事です。
そこに地域の競争原理が働くころと働かないところが生まれ、経済格差にもなっています。
今、北海道は競争の仕組み作りが必要と指摘しました。
また、若い人の地方からの流出についても話しがありました。
東京の人口の割合は全国の9.9%にもかかわらず、学生人口の割合は25%にもなり、各地方から若い人材が東京に集中し、そのまま戻らない現状も示されました。
その他にもいろいろ興味深い話がありましたが、このセミナーの状況は近いうちに日経新聞の全国版に掲載される予定です。
よろしければご覧になってください。
参考
植松電気:http://uematsu-electric.fte.jp/