昨日のテレビでは夜遅くまで、チリの落盤事故で閉じ込められた33名が全員救出されたことが放映されていました。
69日間、地中に閉じ決められ極限状態で生き延びてきました。
最後にリーダー格のウルスアさんが救出されると大歓声が上がりました。
極限状態の時に人を纏めるとのは大変難しいことです。
ウルスアさんはリーダー格としてそれを成し遂げました。
ただ、テレビを見ていて、ある解説者が言った言葉が気になりました。
「このようなリーダーは国民性ですね。外国では『俺についてこい』的なリーダが多いですが、日本のリーダーには協調性が求められるので、日本人がこの状況になった時は違うかもしれませんね」と言ってました。
私はその話を聞いて「違う」とテレビに向かって叫んでいました。
この問題を会社を例にしたなら、会社が順調な時は社長は仕事を各部署の責任者に任せ、会社全体を見、会社の目的目標の共有をはかっていればいいのです。
しかし、会社存亡の危機の時は、社長が先頭に立って指揮し、全社員と共に生き残りをかける行動をとります。
外国人だろうが日本人だろうが関係ありません。
それは落盤事故が起きて、生きるか死ぬかの時、全てのリーダがとる行動と同じです。
国民性の問題ではありません。
テレビを見ていて、チリのピニェラ大統領の行動も注目していました。
救出時間が24時間近くかかったそうですが、大統領はその間中現場に居続けました。
勿論大統領としての立場、人気取り等の気持もあったのでしょうが、「現場に居続けることがリーダーとして重要なことだ」ということを再認識させられました。
昔、私が銀行員だった頃、営業担当者は毎月3000万円の定期預金を獲得しなければなりませんでした。
1日最低100万円以上になります。
目標が達成で難しい月は、各自の目標を達成しないと帰社しても、銀行に入れてくれません。
支店長はシャッター越しに「もう一度行って来い」と言って再び営業に行かされます。
夜10時頃まで帰れません。
営業担当者が営業している間は支店長も帰りません。色々仕事をしながら待ちます。
当時私はまだ営業担当でありませんでしたが、支店長を見て、「待つのも大変だ」と感じていました。
大統領と支店長とでは立場もその時の状況も違いますが、リーダーとして「じっと現場に居続ける」重要さは同じです。
良く見聞きするのですが、社員にきつい仕事を言いつけておきながら、自分は用事があると言って、会合やゴルフに出かける社長が多いのです。
話を聞くと「そんなこと当り前」と思うことでも、自分を振り返ると出来ていないものです。
最後にもう一つ、このチリ落盤事故で本当に素晴らしかったのは、6名の救助隊です。
最初にテストも無くカプセルに乗り、33人を全員助け出した後、最後に地上に出る。
本当に勇気がなければできないことです。
色々な事を考えさせられる救出でした。
でも本当に良かったですね。全員救出されて