私の事務所の近くに、大手印刷会社の北海道支社があります。
その支社の駐車場の隅に赤い鳥居と稲荷宮が祭られています。
道路側に接した大きな稲荷宮です。
お稲荷さんは商売の神様と言われています。
経営者と宗教は結構つながりが強いようです。
出光興産創業者の出光佐三氏は宗像大社の熱心な信仰者でした。
土光敏夫さんは法華経。
稲盛和夫さんも出家しています。
経営者が宗教に興味を持つのは商売繁盛を願ったばかりではないようです。
経営者は大変孤独です。
経営者の判断で会社の運命、そして全社員の生活がかかっています。
経営者は自分の決断の結果の全ての責任を負わねばなりません。
逃げることが出来ません。
そんなつらい時、神様や仏様にすがる。
そんな気持ちになることだって有るはずです。
以前起業セミナの講師をしていた時、受講生に次のようなことを話していました。
「勇んで起業しても、孤独を感じたり落ち込む時が必ずあります。
落ち込んだ時、自分を元気にすることの出来る「ルーティン」を作るといいですよ。
近くの神社にお参りに行くだけでも気分が変わるかもしれません。」
また、経営者が宗教に近づくもう1つの意味があると思います。
それは神様や仏様の前では素直になれるということです。
経営者は会社の中で一番の権力を持っています。
もしかすると傲慢な人間になってしまうかもしれません。
でも神様や仏様の前では素直にならざるを得ません。
素直に自分の考えや行動を振り返る。
そのような反省の場を与えてくれているのかもしれません。