先日、知人女性が学校を定年退職し、一段落したので訪ねてこられました。
これからは誰か人のために役立つ仕事をしたいと言います。
歳を取り、退職した人の多くは同じような思いに至ります。
そして出来ればボランティアでなく、自分が持っている能力を生かしていきたい。
そのように思う人は多いです。
彼女も趣味を生かして、人に喜ばれる仕事をしています。
しかし採算が合わず赤字だといいます。
色々な理由で、価格設定を高くは出来ないそうです。
でも人のためとは言いながら、赤字では続けられません。
その仕事の儲ける仕組みを練り直すか、別の分野に進むか。
それしかないと思います。
先日の日経新聞に「シニア世代の起業家は63万人」との表題で記事が載っていました。
63万人は多いように思いますが、その割合はシニア世代の4%程度でしかありません。
これからの日本の財政は不安です。
年金もどうなるか分かりません。
年金不足を補う上でもシニアの起業者は増えると予想されます。
しかしシニア起業しても儲からなければ意味がありません。
「起業したために退職金を失った」ということになったら大変です。
シニアの起業では無理をしない「身の丈起業」の考えが大切です。
そして起業の時、気を付けなければならないことがあります。
シニアは頭が固くなっていると自覚することです。
素直に人の意見を聞くより、自分の経験や遣り方に固執する傾向があります。
ここのとことをよく自覚しなければなりません。
これから国や市がシニア起業支援を進めるでしょう。
その時、事業計画書の作り方や借り入れの方法を教えたり、金を出すより、大切な事があります。
それは「意識改革」の為の講座作りです。
現役時代、成功体験のあるシニアは特に必要です。
自意識の強さ、頑固な考え。
それをなくし、新しいことを受け入れる柔軟性と素直さ。
それを理解させる講座です。
自分を変える努力。
それがなければ、いくら素晴らしい起業プランがあっても成功は難しい。
私はそう思います。