如何にお客さまに喜んでいただくかを考えるのが支配人の仕事です。
大切なのはお客様の気持を知ることです。
その為に「目配り」「気配り」「心配り」を持つことです。
「目配り」とは自分の周りにも目を向けられる余裕。
「気配り」とは相手がしてほしいと思うことを言われる前にする事。
「心配り」とは相手を喜ばそうとする意思と行動。⇒心で相手の心を見る。
この中で一番大切なのは、「心配り」です。
昔聞いた話ですが、東京のある大きなホテルのことです。
外国人のお客様が多いそのホテルである時、ホテルスタッフの中で誰が一番お客様に人気があるかコンテストをしたそうです。
ホテルの総支配人たちは英語がうまく、ホテル経験が長いAさんが一番人気だろうと予想しました。
しかし結果は圧倒的にBさんでした。
総支配人たちは驚きました。なぜかと言えばBさんは英語もあまり上手くない上、ホテル経験も短いのです。
お客様に聞くと、そのBさんが人気があったのは、上手くない英語を一生懸命使って、お客さまに喜んでいただける為に声を掛け、常にお客の為のことを考えているのを感じたからだそうです。
一方Aさんも評価されていますが、Bさんと比べれば英語がうまい分余裕があり、一生懸命さが伝わらなかったのです。
お客様はBさんには「心配り」を感じたのでしょう。
大きなホテルにはコンシェルジュがいます。
ホテル西洋銀座のコンシェルジュの多桃子(おおのももこ)さんが、ある雑誌に書いていました。
「コンシェルジュはお客様の心に寄り添い、その方の気持ちになって考える姿勢が第一歩で全てです」と。
私は、この文章を読むまでは、「心配り」が一番大切かと思っていましたが、「心を寄り添う」という思い方がより素晴らしいサービスが出来ると思い直しました。
この「心を寄り添う」とは、自分を捨ててお客様の心と自分の心を同化させた思いのことでしょうか。
このようなサービスが出来れば素晴らしい仕事が出来るはずです。
忘れずにいたい私の大事な言葉の一つです。