そして「その目的の意味するのは何か」、「目標を達成した時何が変わり、その後どうなるか」を示さなければなりません。
しかし経営者は実務の上では従業員に指示し、企画、生産、営業等の担当者に業務を任せます。
会社の目的・目標が明確にされ、それをどのようにするかは各部署の担当責任者が受け持ちます。
ところが時々担当責任者が、自分の部門のことを中心に考え過ぎて、部門間に不協和音が聞こえて来ることがあります。
そのままだと業務のスピードが落ち、目的・目標とは違う方向へ向かって行くことになりかねません。
それを防ぐため、その時は経営者自身が入り込んで調整していかなければなりません。
経営者は最高権限者です。
自分がすべて決定していけるのですが、それでは部門責任者に任せている意味がありませんし、従業員が育ちません。
経営者はその時「良き助言者」でなければならないと思います。
「俺の言うことを聞け!」という権力者ではなく、また何でも知っている「知恵者」でもありません。
「自分はすごいだろう」ということを示す「権力者」や「知恵者」はいりません。
「なぜ目的・目標に向かっていかなければならないのか」その為に「今、何をしなければならないのか」の手掛かりやヒントを示し、従業員に考えさせる努力が必要です。
「これはこうするのだ」とか「このやり方はダメだとか」と答えを出してはいけません。
勿論、緊急時には経営者が即決しなければならない時もありますがそれは別です。
人として、会社として大切な原理原則は守りながら、「なぜ」「どうして」そして「今、何をやる」を考えさせなければ、従業員の成長、そして会社の成長・発展はありません。
一時的、単発で終わる会社は、それがありません。
そして一番重要なことは経営者が会社の中で一番学び、人間として経営者として成長することです。
私の周りにいる経営者の中でも、会社が成長しているところの経営者は大変勉強家です。
本を読み、人の話を聞き、それを試してみる素直な人が多いです。
勉強しても「知恵者」になってはいけません。言いたいのを押さえる自己抑制力も必要になってきます。
私はこのブログを書いていながら、この自己抑制力が足りない自分を認識しています。
まだまだです。