そのAさんは絵を描くのが好きな人です。若い頃は絵描きを目指していました。
Aさんの話では、絵を描きだすと全てが見えなくなると言います。絵の対象である花なり、人物に全てが注がれます。
「これはどう見ればいいのだろう」「どのような表現が良いだろう」と対象に全神経が注がれるのです。
食事を取るのも忘れ、寝るのも惜しんで描いてしまいます。
「しなければならない」という思いでするのでなく、そうなってしまうそうです。
絵を書いている時は中断されることを嫌う訳です。
一方、別の知人Bさんは1つの仕事をしている時、フッと別のことを思い浮かべてしまい、それもチェックしながら仕事をします。
時には同時に複数の仕事を進めることもします。
Aさんとは反対に、Bさんは1つのことをし続けることに苦痛を感じてしまいます。
あることをしている最中に、別のことが気が行ってしまうのです。
本を読む時も同時に数冊を読むことが出来ます。
Aさんは絵を書き始めると周りが見えなくなるので、そのせいかあまり気が回りません。
Bさんは良く気配りが出来、、場の空気も読むことが出来ます。
AさんとBさんはそれぞれの「行動パターン」が違うのです。
どちらが優れているかかという問題ではありません。
強いて言えばAさんはスペシャリスト、Bさんはゼネラリストと分けることが出来ます。
それぞれの役割があります。
大事なのは自分はスペシャリストな要素が多いのか、ゼネラリストとしての要素が多いのかを知ることです。
単なるあこがれから、ゼネラリストがスペシャリストになろうとしても、苦労が多いです。
勿論その逆もそうです。
自分が1つのことをし続けるのが出来ないと悔むことは無いです。その人はゼネラリストなのです。
そのような生き方をすればいいのです。
経営者はほとんどがゼネラリストの傾向が多いでしょう。
自分を正しく知り、それを生かせば順風に乗れます。
憧れだけで違う方向に行くと、苦労だけ多く、実を結びません。
昨日のAさんとの話で、改めて自分を知ることな大切さを認識しました。