近頃テレビ・新聞では内閣不信任等の記事でいっぱいです。
民主党内では菅陣営か小沢陣営かで議員が行ったり来たりしているようです。
そんな時「面従腹背」という言葉が浮かびました。
「面従腹背」とは、うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないことを意味します。
まさに今の政界はそのような世界なのかもしれません。
この「面従腹背」に似ているけれど、意味が全く違う言葉があります。
それは「逆命利君」です。
中国の「説苑(ぜいえん)」に書かれて言葉です。
「命に従いて君を利する、これを順(じゅん)となし、命に従いて君を病ましむる、これを諛(ゆ)となし、命に逆らいて君を利する、これを忠と謂(い)い、命に逆らいて君を悩ましむる、これを乱と謂う」
「逆命利君」は「名に逆らいて君を利する、これを忠と謂う」のことです。
私がこの言葉を知ったのは、大分昔に佐高信さんの「逆命利君」という本を読んだ時です。
上に書いた言葉はその本からの抜粋です。
この本によれば「逆命利君」は住友の初代総理事、広瀬氏が良く使った言葉だそうです。
そして「逆命利君」という小説はその現代の住友商事に実際にいた人物を主人公にした経済小説です。
興味ありましたら是非読むのをお勧めします。
「面従腹背」のように、従っているようでいてそれに反するような行為をする人が多い世の中で、「逆命利君」は意味のある言葉のように思います。
逆を言えば、上に立つ者は部下からの忠言はきちんと聞かなければならないということも意味しています。
トップとナンバー2との間もそのような関係が必要とされます。