経営者が集まってですから勿論経営についての話が中心です。
その中で特に議論したことは、「パーフェクト」な仕事と「ベスト」な仕事の違いです。
昨日より今日、今日より明日へ向かって向上する時に使うのは「ベター」という表現でしょう。
「より良くなる」というのは大事な心構えです。
ただ、仕事をする上で「ベター」な仕事では許されないのです。
製品・商品として完成されていなければお客様の満足は得られません。
「前回の商品よりいいでしょう」と言っても買ってくれません。
勉強会では、その完成された製品を目指す時、「ベストを尽くす」というのがいいなのか、「パーフェクトを目指す」というのが本当なのかこれが論点になりました。
「ベストを尽くす」という言葉はいいように聞こえますが、時として「ベストは尽くしました」が結果、出来ませんでしたという言い訳にもなります。
ある会社で目標数字の達成が難しかった時、社長が幹部に「何とか目標達成をしたいので頼む」と言った時、幹部が「ベストを尽くします」と答え、社長は満足しました。
しかし、目標は達成できませんでした。
社長は幹部に目標達成出来なかったことを責めました。
それに対して幹部は「ベストは尽くしたのですが・・・」といいます。
社長は「ベストを尽くす」という言葉を承認したのですから、それ以上は責めることはできません。
「ベストを尽くします」と言われて、「それじゃベストを尽くしてくれ」と言うのは社長失格です。
社長は「必ず達成してくれ」といい、幹部も「必ず達成します」と言うのでなければならないのです。
目標達成と言う「パーフェクト」を目指すのです。
製造業の製品もそうです。
「ベスト」を目指してもハネ品が出ます。
その場合100個の製品を作るのに、ハネ品を予想して110個分の材料を用意します。
2~3個のハネ品が出て、7個分の材料が無駄になります。
利益が減ります。
パーフェクトを目指すとすれば、100個分の材料しか購入しないことになります。
そこに「1個も無駄が出来ない。」「1個もハネ品を出すことはできない。」という、本当の真剣さが生まれます。
「ベスト」と「パーフェクト」の違いは「本当の真剣さ」が生まれるかどうかではないかと思います。
「ベスト」にはまだ甘えがあります。
「パーフェクト」と言っても完璧なことはそう簡単にできないでしょう。
しかし目指すモノとして最初から甘さのある「ベスト」より、完璧な「パーフェクト」を目指すことが大切だと思っています。