その時は「北海道遺産」について書きました。
同じセミナーの中で、別の講師からもいい話がありましたので紹介したいと思います。
その講師は道内大学の准教授です。
仕事で中国や韓国に行くことが多く、中国には年に2回程行って、行くと必ず立ち寄るところがあるそうです。
それは本屋です。行くその本屋は同じところに決めています。
1週間ほど前に中国から戻り、その時に感じたことを話してくれました。
准教授は観光に関して研究をしており、本屋では中国の観光雑誌なども買ってきます。
震災前に行った時、観光に関する雑誌や本はほとんどが日本の観光地を紹介するモノが中心で、北海道も注目されていました。
しかし今回行って驚いたのは、日本に関する観光の本は1冊しかなく、ほとんどはアメリカ・カナダ観光に関する雑誌や本に変わっていたのです。
今、中国人の海外観光の目は既に日本からアメリカ・カナダ・ヨーロッパに向いていています。
もしかしたら、震災が落ち着いたら日本に観光客が戻ってくるだろうという期待も叶わないかもしれません。
この状況は生の情報です。
いずれ新聞やテレビでも取り上げられるかもしれませんが、生の情報が早く入手できるということは重要です。
早めに対応が出来、現実的対処が出来ます。
情報を手に来入れるには現地に行き、人に会うことは大事です。
それと同時に自分だけの情報を得る場所が必要です。
それは自分で決めた「定点観測地点」を作ることです。
今回のセミナーで情報を話してくれました洵教授も、本屋という自分の「定点観測地点」を持っていました。
そこで売られている雑誌や本の変化で、日本への観光客が減少するだろうという予想を立てたのです。
昔ある雑誌の編集長もテレビで「定点観測地点」を持っていますと話していました。
自社の週刊誌が発売される時は、繁華街のある売店の前に半日ほど立っていて、売れ行きを見ていたそうです。
週刊誌の発売数などは後で集計されることですが、それは何日も後です。
遅い情報は役に立ちません。
自分で発売日に「定点観測地点」で確認した状況と、後で発表される売上状況とは変わらなかったそうです。
生の情報をいち早く得て、次号の記事構築に生かしたそうです。
最近札幌市内で通行量調査がされていますが、これも定点観測でしょう。
このように定点観測について書いていますが、現在の私は「定点観測地点」を持っていません。
せいぜい地下鉄に乗る度に、広告ポスタ―の枚数増減や、その業種を注意して見ている位です。
私も改めて自分なりの「定点観測地点」を作りたいと思っています。